医科初期臨床研修について 各診療科研修

呼吸器内科

研修の特徴

  • 1.呼吸器疾患には、肺炎や肺結核などの感染性肺疾患、気管支喘息などのアレルギー疾患、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)、びまん性肺疾患(過敏性肺臓炎、サルコイドーシスなど)、間質性肺炎(特発性、膠原病、血管炎)、睡眠時無呼吸症候群、慢性呼吸不全、肺腫瘍(肺癌、肺良性腫瘍)など、多種多様な疾患がある。感染症から癌までの幅広い領域にわたる疾患の診断・治療について総合的に学ぶことが出来る。
  • 2.内科各領域に関する数多くの症例経験を通した幅広い見識、確かな手技遂行能力を持って、バランスよくどの分野でも対応できる臨床能力がありながら、決して手技至上主義ではなく、一臓器のみに着目せず、患者さんにとって最良の選択をすることができる医師を育成する。
  • 3.呼吸器内科分野においては、放射線科医・病理医に匹敵する情報解読能力を持ち、施設ICD(インフェクションコントロールドクター)と遜色のない感染症の知識を持ち、癌化学療法は専門医レベルの遂行能力を持ち、また、診断、検査、治療の各ステージにおいて、場当たり的でなく、論理的思考の元に判断を下すことができる医師を育成する。
  • 4.肺が病変の主臓器であるアレルギー・免疫・膠原病といった分野で施設のリーダーとなる知識と経験を持つ医師を育成する。

研修目標
(一般目標 GIO、行動目標 SBOs)

一般目標 (GIO)

幅広い病態・疾患に対応出来る医学的知識・技量を基盤に、患者・家族の価値観に配慮し、医療チームの一員として高度な医療を実践出来る能力を身につけ、また呼吸器疾患の診断、これに対する初期治療を行い、呼吸器疾患について学び、治療法について理解出来る。

行動目標 (SBOs)
基本姿勢・態度
  • 1.患者・家族の考えや価値観に配慮し、患者・家族との「協働医療」を実践する。
  • 2.守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮が出来る。
  • 3.多職種によるチーム医療を担い、必要時にはリーダーシップを発揮出来る。
  • 4.最新・最適な医学知識・技量を踏まえ、「根拠に基づいた医療(EBM)」を実践する。
  • 5.患者・家族に対して EBM に基づき、適切な説明を行い、同意を得る(インフォームド・コンセント)ことができる。
  • 6.院内カンファレンスや研究会、学会活動に積極的に参加し、また不断の自己学習によって、
    臨床研究の遂行に必要な基本知識・手順を身につける。
  • 7.保険診療や地域医療、災害医療、国際医療など、公衆衛生・社会的枠組みにおける医療の意義を理解する。
  • 8.医師であるまえに幅広い素養と感性をもった人間として成長できるよう努力する。
診察法・検査・手技
総論
  • 1.呼吸器系の基本的構造と機能との関係が理解できる。
  • 2.基本的な系統的全身診察を行い、所見を挙げ、整理記載することができる。
  • 3.患者の主訴・身体所見から、行うべき検査の計画を企画・指示することができる。
  • 4.患者の持つプロブレムを抽出し、患者の緊急度・重症度に応じて優先順位をつけることができる。
各論
  • 1.呼吸器疾患患者の問診により病歴聴取を正しくできる。
  • 2.患者からバイタルサインを適切に把握し、臨床的意味を理解できる。
  • 3.視診・聴診・打診・触診により正しく呼吸器的病態が把握でき、特に聴診音の鑑別ができ、それによって疾患や病態の予測ができる。
  • 4.胸部単純X線の基本的読影ができる。
  • 5.胸部CTの適応の決定と基本的読影ができる。
  • 6.PET-CT および骨シンチなどの核医学検査とMRIの適応が判断できる。
  • 7.呼吸機能検査の適応と検査結果により疾患の鑑別と病態が判断できる。
  • 8.血液ガス分析手技が体得でき、経皮的酸素飽和度値と共にその結果を理解できる。
  • 9.血液検査でアレルゲンおよび腫瘍マーカー測定による臨床的意義が判断できる。
  • 10.喀痰の細菌・病理学的検査の適応と意味を理解できる。
  • 11.胸部エコー下で胸腔チューブの挿入と胸腔ドレナージの指示が正しくできる。
  • 12.気管支鏡の適応と禁忌の判断と、その検査の前処置・合併症予測ができる。
  • 13.胸腔鏡による胸膜生検・治療の適応を判断できる。
  • 14.右心カテーテルの適応を理解でき、肺循環障害による疾患を診断できる。
  • 15.肺炎など呼吸器感染症に対し、抗菌薬の選択ができる。
  • 16.酸素療法の適応と、その適切な投与法・流量を決定できる。
  • 17.気道確保の意義と気管挿管ができる。
  • 18.人工呼吸管理(非侵襲的人工呼吸,NPPV を含む)を適切に行える。
  • 19.在宅酸素療法・人工呼吸療法への移行時期とその準備・教育ができる。
  • 20.気管切開の適応がわかる。
  • 21.胸部悪性腫瘍(肺癌、胸膜腫瘍等)に対し、診断・治療方針作成・外来化学療法、緩和ケアを含めた総合的治療および対症療法ができる。
  • 22.気管支喘息/COPD/間質性肺炎の急性増悪を有する疾患・病態の診断と治療ができる。
  • 23.慢性期の気管支喘息・COPD に対し、呼吸リハビリテーションを含む長期管理の計画を立てられる。
  • 24.医療連携を理解し、退院後の治療計画を立てられる。
  • 25.肺結核・非結核性抗酸菌症・肺真菌症の診断と治療ができる。
  • 26.間質性肺疾患(膠原病肺・薬剤性肺疾患等)の鑑別ができる。
  • 27.肺サルコイドーシス・過敏性肺臓炎等肺の肺肉芽腫性疾患の診断ができる。
  • 28.下級医師に対し、その教育を適切に行える。
  • 29.呼吸器内科のスタッフとともに、臨床研究を行える。
  • 30.当直診療で呼吸器系疾患の management を適切に行える。
症状・病態への対応
  • 1.以下の症状を経験し、把握できる。また、基本的対処法につき知識を有する。
    a. 咳 b. 痰 c. 息切れ d. 胸痛 e. 血痰 f. チアノーゼ g. ばち指 h. 嗄声 i. 上大静脈症候群
  • 2.以下の緊急的症状を経験し、把握できる。また、基本的対処法につき知識を有する。
    a. 喘鳴 b. 呼吸困難 c. 喀血 d. 急性呼吸不全 f. 肺水腫 g. 誤嚥/窒息
  • 3.以下の疾患・病態を経験し、理解する。
    a. 呼吸器感染症(肺炎/肺結核等)
    b. 閉塞性肺疾患(COPD/気管支喘息等)
    c. 気道・肺胞の形態異常(気管支拡張症/無気肺等)
    d. 間質性肺疾患(IIPs/膠原病肺/薬剤性肺炎等)
    e. 肺循環障害(肺性心/肺血栓塞栓症等)
    f. 免疫学的機序による肺疾患(過敏性肺炎/サルコイドーシスなど)
    g. 肺腫瘍(原発性肺癌/転移性肺癌等)
    h. 呼吸不全と異常呼吸(呼吸不全/過換気症候群等)
    i. 胸膜・縦隔疾患(気胸/胸膜炎/縦隔腫瘍等)

研修内容(方略 LS)

LS1 0n-the-job training

指導医・上級医および指導者の指導のもとに基礎知識と技術を習得する。

病棟業務
  • 1.主に呼吸器病棟(3C病棟)において、主たる担当医として入院患者の問診・診察を行い、常に上級医の指導のもと、診断と治療に当たる。
  • 2.具体的には、原則として担当医は早朝から患者を診察、また早朝採血のdataを収集し、呼吸器内科スタッフによる朝 8 時 30 分からのモーニングカンファレンスにて presentation(以下プレゼン)を行い、診断および治療方針について討論する。
  • 3.その他必要時には、適宜患者の診察を行い、担当看護師にも適切な指示を出す。
  • 4.他科の専門的の知識が必要なときには、コンサルテーションのテンプレートによって相談し、結果をスタッフと共有する。
  • 5.退院や転院の決定は必ず上級医の確認のもと行う。
  • 6.上記の経緯は、必ず診療録に記載する。
  • 7.退院時要約(サマリー)を原則退院後 1 週間以内に速やかに記載する。
検査及び処置
  • 1.必要時には、検査や胸腔穿刺などの処置に関し上級医の指導のもと外来および病棟にて行う。
  • 2.気管支鏡については、入院後患者状態を確認。前投薬の指示等行うが、内視鏡検査室にて前処置としてキシロカインによる咽頭・気管の表面麻酔を行う。
  • 3.検査中は患者状態を観察、検体の処理を上級医師と共に行うが、検査室での業務は、病棟業務に優先するものではない。
  • 4.血管確保や採血、注射、点滴法、体腔穿刺などの基本的手技を、指導医・上級医監督のもとで習得する。
LS2 カンファレンス・勉強会

※ 以下のカンファレンスへの出席は義務とし、他の業務に優先する。

  • 1.モーニングカンファレンス (毎日)
    担当医師により当日朝までの患者状態のプレゼンがあり、スタッフと共に、新入院患者に対して治療方針を決定する。
    またその際、病歴聴取の基本を指導すると共に、典型的胸部X線写真に関して研修医全員に供覧する。
  • 2.回診前全体カンファレンス・回診(週1回)
    担当医師により当日朝までの患者状態のプレゼンがあり、スタッフと共に、全入院患者に対して治療方針を確認する。また、回診では科長より重要身体所見の提示がある。
  • 3.胸部X線写真カンファレンス(週1回)
    新入院症例の胸部X線写真を用いて基本的読影法、読影の応用を理解させることを主眼とした会合。
  • 4.フライデーカンファレンス(週1回)
    教育的症例・複雑な病態の症例に対して治療方針を決定する。
  • 5.チェストカンファレンス(呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科:月2回)
    主に手術可能症例、手術施行症例の検討を行う。
  • 6.CPC (臨床病理検討会:月1回程度)
    剖検症例の検討会。臨床経過のプレゼンテーションと画像所見の説明の後、病理所見の解説がなされ、レジデントと指導医・上級医を交えたディスカッションが行われる。
  • 7.医療安全研修会(月1回程度)
    医療安全管理部主催の勉強会。年 2 回以上の参加が義務づけられる。
  • 8.感染予防対策研修会(月1回程度)
    感染制御部主催の勉強会。年 2 回以上の参加が義務づけられる。
LS3 学会、研究会への参加

指導医・上級医の指導のもと、学会発表・臨床研究を経験する。
臨床研究の成果を日本呼吸器学会地方会をはじめとする学会・研究会で発表する。

週間スケジュール

  • 1.毎日8時30分 モーニングカンファレンス
  • 2.月曜10時30分 回診前全体カンファレンス・回診
  • 3.月曜13時 気管支鏡検査
  • 4.火曜16時 胸部X線写真カンファレンス
  • 5.水曜15時 気管支鏡検査
  • 6.水曜18時30分 チェストカンファレンス
  • 7.木曜16時 胸部X線写真カンファレンス
  • 8.金曜8時 フライデーカンファレンス

推奨研修期間

  • 1.必修1ヶ月+選択2ヶ月

研修評価(EV)

  • 1.指導医が研修評価確認表および研修実施記録表に評価を記載する。
  • 2.レポートについて、研修終了直後に指導医が添削指導後、署名する。

副直回数

3~4回/月

スタッフ

  • 1.指導医
    教授 中野恭幸、 講師 長尾大志、 助教 山口將史、 助教 黄瀬大輔、 助教 仲川宏昭
  • 2.研修実施責任者
    講師 長尾大志

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